【ステロイド外用薬】
【ステロイドのランク】
strongest, very strong, strong, mild, (weak)があり,それぞれに対応するステロイドを覚える。
※weakもあるがほとんど使わない。ロコイド®など弱いステロイドはmildである。
【strongest】
最強のステロイドで,皮膚科しか使わないイメージ。重症の皮膚疾患の場合にはよく使う。
デルモベート®。
最近は一般名も多くクロベタゾールプロピオン酸エステルなどのジェネリックも多い。
クロベタゾンなどは全然別モノ。
さらにジェネリックのデルモゾール(リンデロン)もわかりにくい。
ダイアコート®もよく使われる。
【very strong】
代表なのはアンテベート®
一般名ではベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル・・・
なんのことでしょうか。ベタメタゾン・・・と伝えてくる人が多いが,稀にエステル,と話す人も。
湿疹,薬疹,虫刺症,大体なんでもこれをつければ大丈夫。
皮膚科以外でも重症と思えば使われるランクですが,very strongも可能なら皮膚科レベルにしてほしい。
【strong】
代表的なのはリンデロン®
OTC,薬局でも売っているくらい使いやすい。
後発品はデルモゾールなど。
虫刺されや単なる湿疹に,どの科の先生でも使いやすい。
リンデロンVG®と昔からVGが使われることが多いが,GはゲンタマイシンのGで抗菌薬である。
基本的に抗菌薬は不要なので本当はリンデロンV®でよいが,昔の流れかリンデロンVG®が採用されることが多い。
【mild】
代表的なのはロコイド®
顔に塗る場合や,小児だとこのくらいが安全。
【剤形の選択】
軟膏,クリーム,ローションなどがある。
【軟膏】
大体これを使っておけばOKです。ベタベタして使いにくいので不満は出るかもしれない。
クリームやローションだと基材の刺激があるので,ジュクジュクした病変などにも使いやすい。
ヒルドイド®などと混合するときも基本的には軟膏でないとダメです。
(最近のヘパリン類似物質は混合すると分離することが多い)
【クリーム】
使いやすさのバランスはクリームが一番。ジュクジュクした滲出性の病変など刺激が出ることがあるので安心して使うならやっぱり軟膏。
軟膏よりも効果が高い,イメージもあるけど。
【ローション】
頭に使うときなどはローションが好まれます。
伸びやすいので体に出しても喜ばれますが,すぐになくなります。
【外用量】
内服と違って何グラム出すか迷うところです。
1FTUという概念もあり,チューブから出して人差し指の第一関節ほど絞ると手のひら2枚分ですが,正直面倒。
ティッシュがつくくらいにつけてもらえばいいですが,人によっては擦り込むんですか,と質問を受けることも多い。
本当に全身に塗ると,1回10gくらい使うので,1日2回塗ると20g使うこともあるけど,
一部なら10gくらい出せば数日~1週間持つのでは。
全身に塗ってもらう人は1週間で100g出します。
【まとめ】
体はリンデロン,顔はロコイド。ひどかったらアンテベート。小児はロコイド。
治らなかったら皮膚科へ。