【皮膚科の抗菌薬】

Derma. 2022/8(No.325)

特に皮膚科ではバイオアベイラビリティを考慮する必要がある。アモキシシリンでは90,レボフロキサシン 99,クリンダマイシン 90, ミノサイクリン 90などであるが,第3世代セフェムのセフジトレンは16, セフジニルは25と低い。

毛包炎,よう,せつ,皮下膿瘍,蜂窩織炎,丹毒,伝染性膿痂疹などcommon diseaseは黄色ブドウ球菌が主体のことが多くCEX(セファレキシン)内服でもよいが,内服薬はセフジトレンピボキシルなど第3世代が多く,あまり第1世代セフェムを使わないことも多い。入院ならCEZ点滴が簡単に使えるんだが。

伝染性膿痂疹

通常の水疱性膿痂疹であれば黄色ブドウ球菌が主体なのでCEXやペニシリンでよいが,やはり第三世代セフェムが出しやすいのか・・・。LVFXは関節毒性の問題から小児では処方しない。MRSAも増えているが,個人的にはあまり困ったことはないが,小児だとMINO, LVFXなどは使えないので,ホスホマイシン,ファロペネムなど。痂皮性膿痂疹では溶連菌なのでペニシリン。黄色ブドウ球菌の混合感染も考慮。糸球体腎炎の合併懸念がるため軽快後も10日内服を継続する。

毛包炎,尋常性毛瘡,せつ,よう

黄色ブドウ球菌,表皮ブドウ球菌,他に緑膿菌やグラム陰性菌も起炎菌となりうる。炎症が強いものはPVL産生黄色ブドウ球菌の場合もある。Panton-Valentine leukocidin(PVL)は外毒素,必ずしもMRSAとは限らないが,多くはMRSA。

壊死性筋膜炎,ガス壊疽など

広域な抗菌薬でempiric therapyをおこなうが,PIPC/TAZが一番使いやすい。溶連菌などはマクロライド耐性が問題となっているが,毒素の産生を抑えるために,タンパク合成阻害薬であるCLDMの併用を行うことが多い。

感染症以外の皮膚疾患

天疱瘡,ざ瘡,酒さ,化膿性汗腺炎など必ずしも感染症が主体というよりは炎症がメインである場合にも抗菌薬を使うことが多い。DDS,ドキシサイクリン,MINO, ロキシスロマイシンなど。

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