【シャンパーニュ】
北のモンターニュ・ド・ランス地区では黒ブドウのピノ・ノワール,真ん中のヴァレー・ド・ラ・マルヌ地区では(ピノ・)ムニエという黒ブドウ,南のコート・デ・ブラン地区では白ブドウのシャルドネが主に栽培される。スタンダードなシャンパーニュは,この3品種(ピノ・ノワール,ムニエ,シャルドネ)を1/3ずつミックスして造る。
ピノ・ノワールは力強さと芳醇なブーケをもたらし,ムニエは果実味が豊かで熟成が早い,シャルドネは酸のニュアンスがしっかり出てエレガントな繊細さと軽快さをもたらす。
ブルゴーニュは「畑」単位だが,シャンパーニュは「村」単位で,グラン・クリュは17個,プルミエ・クリュは42個。
シャンパーニュはヴィンテージがない,「手摘み」が義務。4000キロのブドウから,1番搾りは2050Lまで,2番搾りは500Lまで。1番搾りをラ・キュヴェ,またはテート・ド・キュヴェという。
「ブドウの種類」,「畑」ごとに分けて,樽かステンレスタンクで発酵させて,スティルワインを造る。何年か分のスティルワインを保存しておき,アサンブラージュ(調合)して毎年同じ味のシャンパーニュを造る。調合したスティルワインを瓶に詰めて,「瓶内二次発酵」をおこなう。
ブドウの糖分は,ワインにする際のアルコール発酵(一次発酵)で使い切っており,アサンブラージュしたスティルワインを瓶詰する際に,瓶内二次発酵させるための糖分と酵母を加える。これをティラージュ(瓶詰め)という。酵母が糖を分解してアルコール+二酸化炭素が出て発泡性ワインになる。この瓶内二次発酵の期間は6~8週間。役目を終えた酵母は澱となって沈殿する。
寝かせる期間は最低15カ月と決められている。澱を抜くため,横に寝かせていた瓶を底のほうを上にして澱下げ台(ピュピトル)に立てる。毎日45°くらいずつ回転,ルミアージュ(動瓶)させて,これを5,6週間続ける。
手摘み,瓶内二次発酵,最低15カ月という長い熟成期間からシャンパーニュは高くなる。