【PCR】
【PCRの原理】
DNA合成反応は3段階からなる。
denature: 鋳型となるDNA2本鎖を加熱して変性し,1本鎖にする。
annealing: 増幅したい特定部位の両端に相補的な2種類のオリゴヌクレオチドプライマーを加えた状態で温度を下げると,プライマーがDNA鎖の相補的な部位と2本鎖を形成する
extension: ポリメラーゼはプライマー部位からDNA相補鎖を合成していく
酵素
耐熱性ポリメラーゼといえ,Taqポリメラーゼは30~35サイクルで失活する。
プライマー
プライマーデザインはprimer3で作成
通常のPCRでは,プライマーは20塩基前後の鎖長で,GC含量が50-60%程度で設計
nestedプライマー
一組のプライマー対で増幅される標的配列の内側に第2のプライマーをデザインし,最初のPCRで増えた生成物を希釈して新たな鋳型として第2のPCRを行う。この第2のプライマーをnestedプライマーと呼び,第2の反応をnested PCRと呼ぶ。
NEMO (IKBKG)のlarge deletionで見つけられない変異を検出する際にnested PCRを持ちいることがある。
Tm (melting temperature)
DNAの2本鎖が熱変性して1本鎖になる温度をTmという。アニーリング温度を下げすぎるとプライマーの非特異的なアニーリングが起こしやすくなるので,Tmは可能な限り高いことが望ましい。2つのプライマーのTmが異なる場合は,とりあえず低い方に合わせてTmを設定する。
1-1 熱変性
熱変性は94℃ x 30秒~1分を標準とする
ゲノムDNAのような長いDNAを鋳型とする場合は,鋳型DNAの変性を完全にするため,最初の熱変性を5分行ってから通常のサイクルに入る
非特異的増幅がみられる(Extra bandが増える)
・DNA量を減らす
・サイクル数を減らす