スポロトリコーシス

従来,原因菌種はSporothrix schenkiiとされていた。

2019年頃,分子生物学的検討が盛んにおこなわれ,色々な名前が変わった。

Sporothrix schenkiiは,S. albicans, S. brasilliensis, S.globosa, S. luriei, S. mexicana, S. schenckiiのcomplexであることが判明した。

なお,学名などで記載する場合は斜体(イタリック)にしなくてはいけません。

面倒な場合はショートカットキー:Ctrl + I(イタリックのI)

さて,スポロトリコーシスの大部分はS. globosaである。35℃で発育が制限され,37℃では発育しない。よって温熱療法が有効である。土壌や草木に寄生・生息しており,外傷を介して侵入する。そのため農業や園芸従事者が多い。臨床的にはリンパ管型の進展が特徴的。

診断

皮膚生検の組織をサブロー培地で培養する。痂皮や浸出液でも培養できる。

室温もしくは25℃で培養し,1~2週間でコロニーを形成する。

コロニーは淡褐色から黒色調で表面ビロード状が典型的だが,白色から灰白色を呈することもある。

治療

ヨウ化カリウム,イトラコナゾール,テルビナフィンの内服。

ヨウ化カリウムは1日量300mgから開始し,1000mgを維持量とする。

イトラコナゾールは1日量100~200mg,テルビナフィンは1日量125mg。

いずれも6~8週間以上の投薬が必要とされる。

参考:マルホ268

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です